発達支援研究会(仮) in 沖縄

沖縄の発達支援に関心のある方々のための情報発信スペース。 HPも立ち上がりました。https://sites.google.com/site/hattatsuken/

第1回こころの診療科・乳幼児発達支援研修
2008年07月05日 (土) | Edit |
 今日は、こころの診療科における本年度のいくつかの事業の目玉である「第1回こころの診療科・乳幼児発達支援研修」が行われました。

 こころ科では今年の1月に健診検討委員会を立ち上げ、私がチョイスした各領域の専門家に無償で定期的に集まってもらいました。

 最初は沖縄県における乳幼児健診の課題は何かという検証からスタートしていきました(振り返りって大切なんですよ!関係者の皆さん!)。

 次に、1歳6ヶ月児健診と3歳児健診の問診項目や実施、判断方法や記載などに関する詳細な検討を行いました。

 そして、名古屋市や大津市などの先進地の資料を基にして、子育て支援と発達支援を基礎にした健診スタイルを練り上げていきました。

 大きな混乱を避けるため、従来の沖縄県小児保健協会の問診項目を使用して、追加質問事項を加え、課題実施の見直しを行いました。

 一方、意識の高い市町村保健師から、健診に関する具体的な見直しの要望があり(発達支援を行いだした市町村だからその必要性に気づけた)、それに応えるために成果をまとめて研修を行おうと企画したわけです。

 そして、今回は健診事後教室を立ち上げた・立ち上げる予定の8市町村に集まっていただいて、保健師さん向けの研修を開いたのですね。40名の参加がありました。

 内容は、事後教室に関するワークショップ、続いて健診スキルアップ研修、最後に地域発達支援システムに関するミニレクチャーでした。

 ワークショップでは各市町村から良かった点・困った点・迷っている点を上げてもらい、後半で解決型ワークを行いました。

 やはり、事後教室を通じて親御さんとの関係を大切にしていく重要さが理解でき、つながってくれる喜びがあるということが良かった点として出ました。

 困った点として挙げられたのは、やはりノウハウ・スキルの点、それに事後教室後の展開でした。

 迷っている点は・・・多く有りすぎて書ききれません。

 解決ワークでも積極的に発言をいただき、関係機関との連携会議をもつことの重要性、保健事業としての説明責任のことが上がっていました。う〜ん、頼もしい保健師さんんたち!!

 健診内容もかなり充実した内容でしたが、何とか伝えられたかなという安堵感があります(ホッ・・・)。

 その後の検証や事後教室自体の話し合いも今後行っていく予定です。今回お集まりしていただいた保健師さんたちは、とても意識をもって学ばれており、よい交流もしていただいたと思います。

 予定時間超過で遅くまで参加してくださり(4時間半の研修!)感謝です。子どもとその家族のための丁寧な発達支援のために、休日返上して勉強してくださる保健師さん達の姿・・・感動的でした。

 彼女たちの意欲と専門性、本当に大切なものだと思います。各自治体においても母子保健・発達支援の重要性が理解され、子どもの育ちを地域ぐるみで支える大切さが伝わっていくといいなと思います。 

発達障害のフリースクール
2008年07月05日 (土) | Edit |
 不登校の子ども達の中にかなりの割合で発達障害を有している子ども達がいることは、すでに常識になってきました。

 不登校対策と発達支援は別個に分けるものではないのですが、教育の中ではそう見られていない場合も沖縄ではまだ多いようです。

 不登校は情緒的問題か怠学のどちらかで、極端な場合では情緒的問題なら放置、怠学と判断されたら登校刺激の連続・・・

 発達支援を少し学ばれた方なら、そのような単純な二分法では支援できないことはわかります。

 子どもはたいていの場合、学校に行きたいと思っており(本人の心配している嫌なことが起きない見通しがあれば)、学校に行けないのはそれなりの理由があるわけです。

 発達障害を有する子どもは、意欲の点や関係性の点で何らかの不利や悪循環がないか、詳細に検討する必要があり、支援も多様な形が求められるのが普通です。

 ところで、7月5日の佐賀新聞の記事で、発達障害の小中学生を対象にした「フリースクールSAGA」が今春、佐賀市内に開設されたとありました。

 佐賀県が支援のノウハウを持つNPO法人「それいゆ」に佐賀総合庁舎の1室を提供し、運営を委託しています。佐賀県は「それいゆ」と協働の事業をどんどん増やしているのですね。ちょっとびっくり!

 学校復帰を視野に入れて、子どもたちの特性に合わせたサポートを展開しているそうです。もちろん、発達障害児に特化したフリースクールを開設する都道府県は佐賀県が初です。

 困難な事例を受けるためで定員は9人。個別の学習スペースを中心に、パソコン、音楽ルーム、遊びの道具をそろえた空間を設置、これまでに小学生5人が支援を受けているそうです。

 指導期間は、できる限り多くの児童生徒を受け入れるために原則6カ月、利用料は県が負担、教材費を除き無料。

 もちろん入校には審査を行っているそうです。

 適応指導教室は不登校対策のひとつになっており、多くの子ども達が自分の居場所を確保して回復してから登校を再開しています。しかし、その指導教室にだんだん支援の難しい子どもが通うようになっています。

 従来の指導教室は発達支援が充分ではなかったため、教育も学校外のリソースと積極的に連携を結ぶ時代が来ていると言えます。


いのちをはぐくむケア
2008年07月05日 (土) | Edit |
 昨日は県立中部病院にて信州大学の玉井眞理子先生による講演がありました。

 玉井先生は遺伝カウンセラーとして著名で、現在は信州大学医学部保健学科
助教授の職にある臨床心理士です。

 遺伝医療を初めとする生命倫理にも造詣が深くいらっしゃり、親御さんと同じ目線で語りを聴くことを大切にされた仕事をされています。

 「いのちをはぐくむケア〜しょうがい児を育てるということ」と題された講演は、最初に遺伝子やDNAといった専門用語が一般に使用されるようになり、身近な存在になった分、遺伝カウンセリングにも注目を集まるようになったことに触れていました。

 もっとも、中途半端な理解や偏ったイメージが遺伝の分野に入り込む余地も開いています。

 続いて、障害の子どもと出会う過程のお話しをされていましたが、冒頭にダンボの話を引用して、大きい耳をもって周りからは好かれなかったダンボを母は愛し、その特徴を自然なこと、むしろ長所として受け取ったというストーリー出しました。

 そして、私たち医療者が障害受容のモデルにこだわり、親御さんの心理過程を病的に捉える危険性について警告を発しておられました。

 次に、先天異常を告知された直後の親の心理は、先が見えない不安というよりも、「普通の暮らしが奪われる恐怖」に近いと説明されました。

 また、時間だけが解決するとして、親をそっとしておこうという対応が「腫れ物扱いされた」と受け取られる危険性があることも話されていました。

 こうしたことは、言われるといちいちそうだなと思わざるを得ません。

 その他にも、専門用語を使用しない、原則として両親揃ったときに大切なことを告げる、など基本的な医療者の対応についても言及されました。

 「ずっと付き合っていれば障害をもった子どもも、親にとっては良いときも悪いときもあるという点で他の子どもと変わらない境地」になると、ご自分の体験から語られているのがとても印象的でした!

 ずっと前から著作で知っていて関心の高い人でした。会えて予想通りのすばらしいお話しで満足でした!
 

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