エントリー上部画像
 家族研究・家族療法学会のため東京に来ています。家族療法に関してはなじみがない方が多いと思いますが、この学会も25年の歴史があるのですね。

 私が参加し始めた頃は、優秀な家族療法家たちが明快な理論を次々と打ち立て、その理論や技法を懸命に習う感じでした。

 家族内のコミュニケーションの研究や、交流の評価、そして介入技術などの展開が目覚ましたっかったのですね。前に書いたベイトソンは、家族療法の精神的支柱でもあります(ベイトソン自体はマルチな学者ですが)。

 当時はかなり名人芸的だった(アーチストと言った方がいいのかな)家族療法も、治療者・患者間の権力関係が批判され、より患者・家族の持っている固有の物語を大切にする方向に進んできました。

 特に今大会では、アジア各国の家族療法のリーダーが参加してシンポジウムを行いました。地域差によって家族の多様性は一層強調され、また同時にアジア固有の共通性も見える気がしました。

 私は家族システム論のセッションの司会をさせていただきました。行動化を伴う成人女性とその母親との面接過程でしたが、二人のコミュニケーションにおける悪循環の指摘と、治療者である自分を含めた治療システムの分析、そして、明快で見通しのよい治療の流れは、家族療法の成熟という言葉を思い浮かべました。

 私は「小児入院治療における早期発達支援と家族支援」という題で発表をしました。

 入院治療というのは生命を救うために行われるものですが、慢性疾患や障害を有している子どもにとって、その治療自体が不可避に侵襲的なので、早期発達支援をする必要があるというものです。

 また、患児のケアは母親を中心とした家族が行うことを医療は当然視し、ストレスや負担がかかる家族はその健康を自分たちで守らないといけないとされていることの問題を挙げました。

 多職種による発達支援・家族支援の統合がこうした問題の解決になることを提示しました。家族療法でいえば、メディカル・ファミリー・セラピーという領域に入る演題だったのですが、肯定的な意見をいくつかいただきありがたかったです。
  1. 会員向け
  2. トラックバック:0
  3. コメント:4
エントリー下部画像
 |