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 「情短施設」ってご存じですか?児童福祉法の第7条に規定されている児童福祉施設のことで(保育所や児童養護施設もそうですね)、正式には「情緒障害児短期治療施設」といいます。

 情短施設は情緒障害を有する児童が短期間入所したり、あるいは保護者の下から通所を行い、その情緒障害を治療する施設です。退所した子どもについても、アフターケアを行うことが普通です。

 最近は、情緒障害も多岐にわたり高度な支援が必要なケースもあるので、「短期」といいながらも入所期間が長期化する傾向にあります。

 注意が必要なのですが、「情緒障害児」に関しては理解が異なる場合があります。「情緒障害」という用語は不必要な誤解や偏見につながることが多く、全国情緒障害児短期治療施設協議会では「児童心理療育施設」と呼称したい考えのようです。

 2006年3月31日現在で全国で27の施設があり、約890人の児童が入所しているそうです。

 5月19日の中日新聞には次のような記事が出ていました。

 
心理的な問題で学校生活になじめない子どもを専門に治療する県内初の「情緒障害児短期治療施設」(情短施設)の開設を、県が北勢地域で目指している。建設に国の補助金を受けるための事業計画の提出が今月末に迫り、調整は大詰めを迎えている。

 情短施設は児童福祉法が定める児童福祉施設で、22道府県に計32施設ある。虐待や自閉症などの発達障害が原因で精神的に不安定になり、周囲とうまくコミュニケーションできない子どもが入所し、集団生活の中で1−2年程度かけ専門スタッフが治療、親側のケアもする。

 愛知県には「県立ならわ学園」(半田市)「中日青葉学園わかば館」(日進市)の2施設がある。ならわ学園に入所する約50人のうち6割以上は虐待を受けた児童。全国情短施設協議会長も務める細江逸雄園長(60)は「子どもにも家族にもケアをし、家族の再統合ができる」と説明する。

 県が情短建設を目指す背景にも近年の児童虐待の増加がある。県内では児童精神科病院「県立小児心療センターあすなろ学園」(津市)を中心に、非行や家庭の問題がある児童を育てる「県立国児学園」(同)や各地の児童養護施設が役割を補ってきたが、県こども家庭室は「情短施設ができれば、回復状態や適応能力に応じ施設の選択の幅が広がる」とする。

 県は2006年度策定の「第2次しあわせプラン」に施設の建設を重点項目として掲げ、本年度当初予算にも整備補助費として約3億円を計上。施設を設置・運営する社会福祉法人の選定も進めてきた。

 建設に向けた最大の課題は地元の理解だ。施設内には地元小中学校の「分級」も置く計画で、教員の配置など地元自治体の協力は欠かせない。現在、県と地元自治体の福祉、教育担当者が最終調整中。県は10年春の開設を見据え、26日に国に事業計画を出したいとしている。


 沖縄県でも児童養護研究会が10年以上もの間、情短施設の設置を県に訴えているそうです。情緒障害への対策は、たとえば情緒学級の設置数も非常に少なく、また予防的介入がないために、進んでいない状況です。

 また、情緒障害に関わる専門家養成も大切になってきます。こころの診療整備計画にはこうした医療・福祉との連携も欠かせない事項ですね。
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 梅っこ集会のことは記事に書きましたね。

 ですが、「ところで、梅っこクラブで何を話したの?」と複数の方から言われました。ブログは資料ファイルをアップできないのですよね。

 内容の冒頭を少し書いておきましょうか。

 4章立てで話したのは3章まででした。資料最後の障害受容論はカットしたのですね。第1章は「排泄障害を抱える子ども」でした。

 排泄障害を含む慢性疾患や障害をもった子ども達は、その急性期や入院での回復期においては、身体治療や看護ケアが中心になり、その方法もかなり標準が確立されています。

 ところが、退院を向けて、あるいは、退院後の日常生活において、親子は疾患や障害そのものに対する不安、それに、さまざまな困難や制限と日々向き合っていかなければなりません。

 主に退院後は、このような不安や苦労が解消されるようサポートされること、障害を抱えながらも子どもが発達できるようサポートされること、適切なケアが継続できるように家族自体が心理社会的にサポートされること、この3つが大切になってきます。

 この支援は、リハビリテーション・発達支援・関係性支援(愛着支援)・家族支援の4点から行われる必要があります。個人的には頭文字をとってRDIFシステムと呼んでいます。

 支援を行う際には、親と子どものあり方を見ていく必要があります。

 子どもに関することでは、障害から起こる身体的影響・心理的影響を考えることです。大人が中心の身体管理を行う過程で、子どもに求められるのは従順さや受動性です。
 
 子どもは、時間と共に、障害に対する不安や怒りを感じ、それに対する特殊な防衛機制(柔軟な否認、過剰適応)を獲得するのですが、それに対しては不安を緩和し、意欲を高める取り組みが必要なのですね。

 親の方では、長期経過にわたり、親子(母子)関係が近くなる一方で、溺愛や過干渉、逆に敵意や拒否など感情が激しく揺れ動くかもしれません。

 特殊な状況において、こうしたことが出現するのが普通ですが、特に母親の負担やストレスが大きく、ジェンダー的な役割を家族が乗り越えなければ、親子関係や夫婦が難しくなります。

 親は自責感を有しやすく、子どもが健康で安全であることが第一の願いになりやすく、その陰で祖父母、きょうだいとの関係が難しくなったり、親の自己実現が忘れ去られていきます。

 単純にストレスや負担を減じるのが支援ではないですね。慢性疾患や障害、そして、その子どもと付き合うことが必要な苦労と認識され、家族が適切に協力・機能するよう支援するようバックアップする機能・スタッフ・専門性が子ども病院にも必要なのですね。




 
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 今日の夜は、当センターで「こころ科健診検討委員会」の第5回目がありました。

 健診とはもちろん乳幼児健康診査のことで、健診の質を上げるために立ち上がった有志が手弁当で集まって開催されています(いつも本当に感謝です!)。

 沖縄県の乳幼児健康診査の問題については、講演などで話をしていますので、知っている方もおられると思います。

 乳幼児健診の目的はこの20年くらいで大きく変わってきています。特に、貧血や腎疾患などの疾病発見が中心だった時代から、現在では育児支援の要素が高くなり、また、発達障害の発見・支援の役割も求められています。

 その目的の変化につれて、この20年で比較すると、例えばフォロー率は1歳6ヶ月健診で約5%から約30%と対象者は増え、その結果、事後教室などの早期フォロー体制が各市町村で整えられていったのですね。

 意識のある市町村では親子通園を開催しているので、事後教室と合わせて二段階療育システムと呼び、診断を受けなくても発達支援を行い、多くの子ども達に支援の手を届くように工夫していったのですね。

 ところが、沖縄県だけはかなり独自の道を歩んでしまい、この20年でもフォロー率はほとんど変化せず、事後教室などの保健側の早期支援体制が全く整わなかったのですね(ある人は「鎖国状態」と形容しています・・・)。
 
 また、健診業務は市町村の仕事になったので、現在では県の関与も少なく、小さい市町村などでは若手の保健師だけが母子保健を担っている場合も少なくありません。大きい都市では未受診者対策も進んでおらず、健診の精度もほとんど上がっていません。

 このデメリットのひとつは、発達障害の早期発見が行われないことです。こころ科の外来では、新患の約90%が健診を通過しており、ほとんどその機能を果たしていません。

 以上のような背景から、健診の基準や実施方法を見直してみようと思い、始めたのが健診検討委員会なのですね。

 ひとつ断っておく必要があるかもしれません・・・いつも言っていますが、これは保健が悪いとか、誰それが悪いとか責任論で言っている話ではないのですね。

 一臨床家として見えてきた、子どもに関して先送りにされてきた問題を、できるだけ多くの人たちと共有したいと思っているのですね。そのための問題提起なのです・・・
 
 愛知県や名古屋、また、最近講演に行った富山県などの状況も参考にしながら、かなり詳細な基準や実施方法ができあがりつつあります。

 この普及には条件があって、実際の発達支援の場である「教室」をつくることです。早期から親子をセットで見守る場がなければ、健診の意味は薄れます。こころ科からの建設的な提案です。

 ・・・ところで、その事後教室が明後日に新たに開催されます。どこの市町村でしょうか?
 

  
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